Home(page1) | page2 | page3 | page4 | page5

肺結核患者発生時の臨時健康診断及び事後措置要領

1 趣 旨

 この要領は、部隊等に肺結核患者(以下「患者」という。)が発生した場合において、集団感染及び発病を予防するため、結核予防法(昭和26年法律第96号)に定められているもののほか、必要な細部措置要領等を定めるものである。

2 用語の定義

 この通達において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 達

海上自衛隊における健康診断の実施基準に関する達(昭和43年海上自衛隊達第30号)をいう。

(2) 健康管理者

達第2条に定める者をいう。

(3) 実施担当部隊等

達第4条に定める部隊等をいう。

(4) 実施担当官

達第5条に定める者をいう。

3 健康管理者の責務

(1) 臨時健康診断の依頼

患者が発生した部隊等の健康管理者は、実施担当部隊等の長に、臨時健康診断の実施について、直ちに依頼するものとする。

(2) 受検計画等の作成

健康管理者は、臨時健康診断を依頼するに当たり、受検計画及び隊(艦)内消毒計画を作成し、実施担当部隊等の長に提出するものとする。

なお、計画の作成に当たっては、実施担当官の協力を得るものとする。

4 臨時健康診断の実施

 実施担当官は、次により臨時健康診断を実施するものとする。

(1) 検診対象者の選定

ア 対象者

(ア) 患者と同一居住区に居住する者

(イ) 患者と同一事務室等に勤務する者

(ウ) 患者と日例会報や会議等でほぼ毎日同席する者

(エ) 患者の友人等で患者と比較的多く接触している者

(オ) 患者と同一潜水艦又は同一航空機等に勤務する者

イ 対象者の加減

 患者の排菌の程度(ガフキー号数、ただし0の場合は0.5とする。)と咳の継続期間(月数)の積を求め、次により対象者を加減する。

(ア) 10以上の場合

 患者の過去の勤務地における対象者及び現勤務地において対象者であった者で、既に転勤した者を加える。

(イ) 10未満の場合

 対象者の中から患者と接触の機会が少なかった者を減ずる。[例:ガフキー号数が3で咳が3か月続いている者は3×3=9]

 なお、患者の家族については、医療機関又は保健所での検診を勧める。

(2) 検診の実施

ア 検診時期等

 患者発生後直ちに、検診対象者総員に対して実施する。

イ 検診項目

 胸部エックス線検査及びツベルクリン反応検査

ウ 検診要領

(ア) 胸部エックス線検査

 直接撮影で実施し、読影は原則としてダブルチェックとする。

 なお、身体歴に保管してある間接撮影のフィルムの再読影を併せて実施する。

(イ) ツベルクリン反応検査

 判読後、発赤径別の度数分布を、付紙第1の例により作成する。

5 事後措置

 次号に定めるほか、検診時のツベルクリン反応検査の結果に応じ、付紙第2に従い実施する。

(1) 胸部エックス線検査

ア 精密検査等

 胸部エックス線検査で所見のある者に対しては、精密検査を実施し、必要に応じて適切な医療を受けさせる。

イ 検査の省略

 検診時の直接撮影後、必要な者に対する6か月ごとの撮影は、撮影しようとする日から起算して過去3か月以内に他の検診等で撮影した場合、これをもって換えることができる。

(2) 抗結核剤INH(イソニアジド)の予防内服の奨励

ア 投与は、一日量0.3g〜0.4gを6か月間服用する。

イ 投与は、医務室または病院において行うものとし、経費は医療費とする。

ウ 副作用(肝機能障害等)のチェックのためGOT及びGPTを投与前及び投与後1か月、3か月、6か月経過した時点で検査する。また、要すれば末梢神経障害の予防にビタミンB6を投与する。

エ INH耐性が判明した場合は、RFP(リファンピシン)に変更する。

オ 予防内服をしている者の指示区分は、発病が認められない限り、「要注意・要観察」とする。

(3) 消 毒

ア 消毒にはホルマリン水(ホルマリン3に常水97の比率)又はクレゾール水(クレゾール石けん水3に帯水97の比率)等を使用する。

イ 患者が使用した寝具類は、加熱消毒(60℃で30分)するか、クレゾール水又はホルマリン水に2時間以上浸漬させる。

ウ 患者と同一居住区の寝具類は、日光消毒を行う。

エ 患者が生活及び行動した居住区、事務室は、ホルマリン水又はクレゾール水の噴霧あるいはホルマリンくん蒸(7時間以上閉鎖)を行う。

オ 消毒できない物品等は極力焼却処分する。

(4) 中途退職者に対する処置

検診対象者が中途で退職する場合、発病の可能性その他の注意事項等を十分説明するものとする。

6 報告等

 肺結核は、海上自衛隊一般事故調査及び報告等に関する達(昭和43年海上自衛隊達第23号)第11条に規定する「その他特に重要と認められる傷病」の取扱いをするものとする。

 なお、報告に当たっては、患者発生部隊等の最寄りの地方総監部衛生監理官に通報するものとする。

7 記録等

(1) 実施担当部隊等の長は、付紙様式第1による「結核検診対象者一覧表」を作成し、検診の都度必要事項を記入するとともに、一部を海上幕僚監部首席衛生官に送付する。また結核検診対象者一覧表の保存期限は「永久」とする。

(2) 実施担当官は、付紙様式第2による「結核検診個人表」を作成するとともに、身体歴に添付し検診の都度必要事項を記入するものとする。

8 所要経費

 既配布の医療費による。